家を建てる【回想録1】 〜始まりのころ〜
子供の頃からテレビ朝日の『渡辺篤史の建もの探訪』が好きでした。
朝起きるのは苦手ですが、早起きして観ていた記憶があります。
私は数年前に遅めの結婚しました。夫は長男で将来は実家を立て替えて両親と同居をするつもりとのこと。
私は同居じゃないほうがいいなぁ、なんなら家族の増減に合わせて賃貸を住み替えていく方法もありだな、なんて思っていましたが。
私も夫も、祖父母との同居で育っていて、良さもわかるので受け入れました。
建もの探訪は録画して夫婦揃って観るようになりました。
ほどなく長女が産まれ、就学・就園までには、と建て替えの話が具体化していきました。
本や雑誌を読んで勉強しつつ、とりあえずハウジングセンターに行ってみました。
が、大手ハウスメーカーはなんだか違うなと。
次にいろいろ見て回り、地元工務店でまぁここならいっか?と思うところが1つ見つかって、何度か完成見学会などに足を運びました。
でもどこかでしっくりこない感覚を抱えていました。
どこで建てるか、誰と建てるか。
機能性、デザイン性、金額、信頼感・・・
すべてを満たす?どれかを妥協する?
そんな思いが頭をグルグル。
夫とそれぞれ散歩がてら、お出かけがてら、気になる家を見つけてはお互い報告したりしていました。
ハウスメーカーではない、工務店もしっくりこない、となると建築士さんに頼むのか?
なんだか敷居が高い。
『建もの探訪』観てきたのに建築士さんってどこで出会うのかがわからない。
家づくり系サイトを見たり、電話帳見たり。建築事務所の看板を見つけては調べてみたり。建築士の協会の会員名簿の名前を片っ端からネット検索してみたり、周りの人に聞いたり。
気になる家の人に「どこで建てられたのですか?」って聞けたらいいのに、とも思いましたがそんな勇気はなく。家の人も家の前になんてそうそういないし。
気になる建築士さんにコンタクトを取ってお話を聞く、これしかないと決心しました。
ただこれ、結構勇気がいりました。
なぜかというと夫は電話かけるのすら苦手な人。私は一見社交的ですが、人付き合いのストライクゾーンは狭めです^^;
それに電話してからの流れがよくわからない。何から話していいのやら。周りに建築士さんと建てた人はいないから聞けないし。
とはいえまず電話して会ってみようと。
最初に連絡したのは60代の男性で、自宅から事務所が近くサイトに作品の写真をアップされていたので、実際に何軒か見ていました。お会いしてみて、お話は勉強になったし、ものづくりには誠実な方だろうなと感じました。
でも自身の考えを過信している感じで、大手ハウスメーカーを名指しで否定したり、その話っぷりに私はなんもなく嫌悪感が湧きました。
夫もしっくりこなかったようで、2人でまたうーんと考え込んでしまいました。
つづく・・・